だっこんさんの忘備録

コーヒーを飲みながら思いついたことを書いていきます。整形リハビリ・心理学領域の話題とワイン初心者の拙い感想が主になりそうです。

筋肉語り コアマッスル編

 せっかくなので文章を日常的に書く癖をつけていきたいだっこんです。少しでも読みやすくわかりやすい文章を心がけていきたいと思います。あと文章にしておくといざというときに口で説明するのも楽だしね。

 

 今日のテーマは「コアマッスル」です。割と新しい言葉で定義もあやふやだったりするのですが、私の知る範囲でまとめてみたいと思います。

 

 

 まずはそもそもコアマッスルって何?という話ですが、人間の体幹部分を形作る深層筋(インナーマッスル)のこと、とされています。また言葉が増えて余計こじれましたね。まったくこれだから専門用語は…!ひとつずつ説明します

 

体幹…身体のうち、四肢と頭を除いた胴体部分のこと。

・深層筋(インナーマッスル)…文字通り、身体の深い部分の筋肉のこと。

対義語として浅層筋(アウターマッスル)がある。それぞれの特徴として、インナーは瞬発力に劣る代わりに持久力が高く、アウターはその逆。主な役割分担はインナーが姿勢制御や関節安定性に作用し、アウターはパワーを必要とする動作を担っています。

プランクや空気イスみたいなジッと耐えるトレーニングはインナー、スクワットやダッシュみたいな動きを伴うトレーニングはアウターというイメージでいでしょう。

 

 体幹インナーマッスル…胴体部分を支えてる筋肉…?となんとなくイメージできてきたところで、コアマッスルに話を進めていきます。

 

 

 体幹といえば体の中心部分ですが、さらにそのインナーマッスルとなると、いわゆる「お腹まわり」で胃や小腸・大腸を始め肝臓膵臓腎臓etc…の内臓を支えている部分になります。

 具体的にはお腹(全面)、腰(後面)、横隔膜(上部)(横隔膜は実は筋肉です、焼き肉で牛の横隔膜がハラミと呼ばれます)、そして底に当たる下側です。この底の部分は骨盤底筋群と呼ばれ、みんな大好き肛門括約筋などが含まれます。骨盤絡みは男女差が大きいことも特徴ですね。

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 このように内臓を四方から取り囲むインナーマッスルを「コアマッスル」とか「コアハウス」と呼んでいるようです。ようやく言葉の説明が終わりましたね。

 

 では、このコアマッスルがどういう働きをしているかと言うと、全身の安定性の要、土台になっているわけなんです。このコアを中心にして下肢が生えて、上半身が載っているイメージです。

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 上記の非常にわかりやすい図の通り、コアが安定していないとそれだけで姿勢が崩れてしんどそうですね。力も入りづらいですし、無理をすると身体を痛めやすい状態でもあります。

 一方コアが安定すると、末端までしっかりと安定させやすくなり、身体への負担も最小限ですみます。運動や作業をするときにコアが安定しているかどうかで効率が段違いになるわけですね。

 

 そんな大切なコアマッスルですが、じゃあどうやったら鍛えられるの?となりますよね。オススメなのは「ドローイン」という呼吸の体操です。

 やり方は簡単で、大きく吸った息を頑張って吐くだけ。できるだけおへその下辺りをへこませるイメージで、コアをギュッと引き締めるイメージで行ってください。

 最初は仰向けで膝を立ててやるとやりやすいと思いますが、慣れてきたら立っているときも座っているときも常にドローインをしながら生活することにチャレンジしてもいいと思います。コアを引き締めることで勝手に姿勢が良くなるので、スタイルが良くなったり、肩こり腰痛が軽減したりといった効果が見込めます。

 また、ドローインの亜種で「お腹を膨らまし続ける」という方法もあるようです。「縮めて締める」ことで安定させるのではなく、風船のように膨らませることで腹圧を高めて安定性を高める方法です。スタン○ォード大学のトレーナーさんが考案した方法なんだとか。こちらも試してみてもいいかもしれません。

 

 

 以上、コアマッスルについての説明でした。コアマッスルは流行りのキーワードだと思うので、ググれば同じような記事がいっぱい出てくるとは思いますが、やっぱり大事なことなので私もまとめてみました。私は最近、できるだけ常にお尻の穴を締めるように意識しながら生活しています。コアはもちろん、歩く時は内ももまでビンビン効いてる感じがあります。

 普段使わない筋肉を使うと非常に疲れるけど、コアの安定性および姿勢の改善は一生モノの財産になると思うので、みなさんも是非実践してみてくださいね。

筋肉についての基礎を語りたい

 長文を書くためのツールとしてブログが良いんじゃないかと引っ張り出してみたところ、1年半ほど放置してて真顔になりましただっこんです。意志の力が弱い。

 今後誰かの役に立つことを祈って(あと自分の趣味と再確認として)文を書くことを再開してみようと思います。

 

 

 これから続けて身体のことを語るに当たって、やはり基礎から説明しておく必要があると思うので、今回は「筋肉」についての基礎をできるだけ簡潔にまとめてみます。

 あと、詳しい人向けに最初に断っておくと、今回説明する「筋肉」は「骨格筋(横紋筋)」で、「内臓筋(平滑筋)」ではありません。そこも解説する機会があればしてみたいですね。

 レポートは結論から書くのが基本、簡潔なまとめといえば箇条書きです。まずは目次がてらにまとめてみます。

 

①筋肉は縮むことが仕事。出来ることは縮むことだけ。

②筋肉は対になるものが存在する場合が多い。前があれば後ろ、表があれば裏がある。

③筋肉は骨と骨をつなぎ、骨格(フレーム)を動かす動力

 

 このあたりでしょうか。それでは順番に説明します。

 

 

①筋肉は縮むことが仕事

 筋肉というものを細かく細かく見ていくと、筋肉→筋繊維→筋原線維ときて最終的に筋フィラメントというものになるのですが、この筋フィラメントが「アクチン」「ミオシン」という2種類でありまして、神経からの刺激を受けるとミオシンがアクチンに絡まるようにして縮む…というのが筋収縮のメカニズムになっています。刺激が入ると縮み、なくなると戻る…これだけです。

 でも、それだけじゃ伸びなくて困るよね?ということで次です。

 

②筋肉は対になっている

 ①で筋肉は縮むことしか出来ない、でもそれだけじゃ困るというところまできました。ではどうするかというと、反対側が縮むことで「相対的に伸ばされる」ということが起こっています。

 例えば肘を曲げ伸ばしする場合、表側の上腕二頭筋が「曲げる」ことを担当し、裏側の上腕三頭筋が「伸ばす」ことを担当すると行った具合です。しかし、厳密には上腕三頭筋も「縮む」ことで肘を「伸ばす」わけですね。

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肘の筋肉バランス

 非常にお上手なスケッチを披露したところで、次です。

 

③筋肉は骨格というフレームを動かす動力

 対になる筋肉がそれぞれ縮むことで伸ばす、曲げるという動きを生み出すことがわかりました。それでは何を動かしているのかと言うと、骨です。人間は外骨格の昆虫などと違って内骨格なので、身体の内側に骨があってそこに筋肉が付着しています。

 骨には内臓を守るという役割とともに、身体を形作り、支えるという役割があります。その骨に付着する筋肉が縮んで引っ張ることで、身体を動かしているわけですね。操り人形の糸みたいなイメージでしょうか。ちなみにもちろん筋肉も外的ストレスから体を守る役割を担っています。お腹とか骨がないからね。

 筋肉にとって非常に重要なことは、どの骨のどこにくっついているか。くっつく場所によって動き方やトルク(小さな労力で大きなパワーを生む、もしくはパワーを伝えにくくすることで繊細な動きを生む)が変わってくるので、関節をいくつ超えるのか、どの骨とつなぐのか、どの方向に引っ張るのか…などが付着部によって決まるわけです。

 

 

 こんなところでしょうか。筋肉の基本的な仕事がわかれば、気をつけるべき点は「それぞれの筋肉がどこにくっついて、どの骨をどういう風に動かしているのか」ということだとわかってもらえるかと思います。筋トレをするときによく「どの筋肉を使っているかイメージして!」と言われると思いますが、細かく説明すると上記の内容になるわけですね。

 

 再開初回からなかなかボリューミーになりました。私も細かい内容を再確認したり、お絵かきしたり、ラグマスを横目で見ながら書いたので、かれこれ2時間はかかっちゃいましたね。できれば毎日1時間程度でそれなりのものを書き続けられたら…なんて思いながら、今日はここまで。

 質問やお題は常時大歓迎なので、ここのコメントでもツイッターのDMでもどこでも聞いてください。お待ちしております。

姿勢のお話(筋肉編)

前回の続きになります。サクサクいきましょう。

 

 

姿勢の定義と、良い姿勢を目指すにあたってすべき事が筋力強化というところまでお話しました。そこで、鍛えていく「筋肉」について、ここでいちど説明しておきたいと思います。

 

筋肉、あるいは筋繊維と呼ばれるものは、分子レベルまで細かく分解していくと、最後は名前の通り繊維状の糸のようなものになっていきます。この糸は2種類の組織からなり、それぞれアクチン、ミオシンといいます。ミオシンがエネルギー(ATPといいます)をもらってキュッと縮まるのですが、その時にアクチンというフレームを掴んでいるので、全体的に筋繊維がちぢれ麺のように短くなるというメカニズムです。

 

勘違いされがちですが、この通り筋肉は「縮む」ことしかできません。自ら伸びることはできないのです。伸びたとしてもそれは「縮んだものが元に戻った」もしくは「外力で引き伸ばされた」わけで、自力ではないです。

「じゃあなんで僕の肘は伸びるんだよ!」と疑問が生まれるわけですが、それは筋肉が前と後ろについていて、それぞれ綱引きをしているからです。肘で言えば、「上腕二頭筋」(力こぶの筋肉)と対になる「上腕三頭筋」(二の腕の筋肉)が綱引きをする事で、肘を曲げたり伸ばしたりしているわけですね。このように、筋肉はほとんどが対になっていて、前があれば後ろが、外があれば内があることが多いです。括約筋(輪っか状の筋肉)など、例外もありますが。

 

筋繊維について説明してきましたが、次は視点を筋肉に戻して分類をしていきましょう。筋肉は仕事によって主に2つ(正確には3つ)に分けられます。神経の話でもありましたね。

 

ひとつは速筋、白筋、アウターマッスル等と呼ばれるタイプ。名前の通り身体の表面にあるので、ムキムキモリモリの見た目になりたい人はこちらを鍛える必要があります。
大きくて力強く、パワフルですがすぐ疲れます。イメージとしては、普段じっとしているけど動くと素早い白身魚、ヒラメ。
こちらも大切な筋肉ですが、今回のテーマである姿勢に関しては、主役ではないかも。

 

もうひとつは遅筋・赤筋・インナーマッスルなどと呼ばれるタイプです。筋肉といえば赤いイメージかもしれませんが、それはこちらのタイプになります。

小さくて力は弱く、派手な仕事はできませんが、エネルギー効率が良く持続力に長けた筋肉です。イメージとしては、死ぬまで泳ぎ続ける赤身の回遊魚、マグロですね。

姿勢のことを考えた時に重要になるのはこちらだと一般的に考えられています。最近では体幹インナーマッスルをコアマッスルと呼ぶこともあるようです。

 

いちおう、番外編に心筋というカテゴリもあります。名前の通り心臓の筋肉なのですが、心臓は一生止まることなく動くという特性を考えると遅筋かな?と思いますが、パワフルさも求められるので速筋かも…となります。

答えは中間、合いの子です。遅筋と速筋をどちらもある程度混ぜ合わせることで、ある程度どちらの特性も持っているわけです。心臓の特殊なところです。そもそも心臓って分類的にはデカい血管だし。変わってるなぁ。

 

っと、語弊がありました。心筋以外も純粋な遅筋、速筋というものは(多分)なく、どちらかの割合が多いというだけです。心筋はほとんど半々で特殊ということですね。

 

さて、ここまできてやっと姿勢の話に戻ります。長かったですね。

前回の最後に少し触れましたが、姿勢(アライメント)を安定させるということは、重心を安定させることとだいたい同じです。重心はヘソの下あたりにあります。では、重心を安定させるにはどうすればいいのか。

 

重心のあるヘソあたりの骨は、いわゆる骨盤と呼ばれる、いくつかの骨が集まった塊です。

骨盤は脊柱(背骨)すなわち上半身の土台となり、同時に大腿骨(ふとももの骨)つまり下半身の起点になっています。

そして、ここが重要なのですが、骨盤の背中側は上に背骨という確固たる支柱があるのに対し、腹側は何もありません。骨模型を見れば一目瞭然で、恥骨(性器のある部分)から肋骨の下端までは完全に空洞になっています。

 

これが猫背になりやすい原因だと、私は考えています。支えるものがないから倒れてくる。当然といえば当然です。(ちなみにこの空洞は腹腔と言い、消化器官の主な居場所になります。)

そこで重要になるのがそう、この空洞を支えてくれている腹筋、特にインナーマッスルというわけです。もちろん、腹筋と対になり、背骨が倒れないように支えてくれている背筋も重要です。

さらに、前方の腹筋と後方の背筋に加えて、上部の横隔膜(焼肉で食べてるハラミで、これも筋肉ですよ)と下部の骨盤底筋を合わせてコアマッスルとかコアハウスと呼ぶ方もいらっしゃるようです。

これらを鍛え、安定した重心を維持することが「良い姿勢」というわけですね。

 

前後編に渡って説明してきましたが、ご理解いただけたでしょうか。

私は姿勢をとても重要視しておりまして…というのも、普段の生活で姿勢が関与しない時間がほぼなく、体調が良くなるにも悪くなるにも避けては通れない話題だからです。

 

治療をしても焼け石に水になるか、それとも最小限の治療でどんどん良くなっていくかは、治療の効果ももちろんですが、その後どう過ごすかで全く変わります。ていうかそもそも治療なんか必要ないのが一番いいわけで、身体のことで困ったり悩んだりすることなく、元気に過ごしてもらうことが我々医療サイドの目標であり、願いなのです。

で  す  よ  ね  ?(威圧)

 

というわけで、姿勢は大事だよというお話でした。長い話にお付き合いくださり、ありがとうございました。これに懲りずに今後ともよろしくお願いします。

 

これを読んで恥じるところのあるクッソ下らないナンチャッテ医療者は猛省な(辛辣)

姿勢のお話(骨格編)

こんにちは。1月終わるのがあまりにも早くてビックリしている私です。いかがお過ごしでしょうか。私は10年ぶりに連絡をくれた友人に誘われて、PS4とモンハンを買ってきたところです。ひと狩り行こうぜ!

 

 

さて、今回のテーマは私にとっての最重要課題であり、セルフケアの究極形と考えている姿勢についてです。

姿勢が大事ということはわかってるけど、そもそもいい姿勢ってなに?背筋を伸ばすの?という疑問から、しんどくて続かない…いつも気がつけば猫背になる…という悩みまで、姿勢に関するトピックスは尽きないかと思います。

専門家の間でも意見の割れるところもあると思うので、今回も私見が多分に含まれますが、ご容赦ください。

 

まずは姿勢とは、という定義付けから始めましょう。何事もまずは前提を共有するところから、というのが私の持論です。

ここでいう「姿勢」の定義は、人間が立位や座位、場合によっては臥位(寝ている体勢)での「全身の骨格アライメントのバランス」とします。

「アライメントってなんやねん…」となりますよね、すみません。アライメントとは「並び・配列」のことです。つまり骨がどうやって並んでいるかのバランスを「姿勢」と定義します。めんどくさいですが、アライメントもよく出る言葉なのでここで一緒に説明したかったのです。

 

話を戻しましょう。立ったり座ったりしている時の骨の並びのことを「姿勢」と定義したところで、次は「いい姿勢」とは何か、を考えてみます。

 

例えばまっすぐな一本の棒を立ててバランスを保とうとした時、当然ながらトンと置いて倒れなければバランスはいいですよね。最も単純なモデルとしてはコレです。外部からの助力なしで自立出来れば安定した良いバランスと言えるでしょう。

ところが、棒を置く土台がスポンジのようにフニャフニャと不安定だったり、一見まっすぐな棒が実はだるま落としのようにパーツに分かれていて、バラバラと崩れてしまったら。外から安定させるための力を加えて上手にバランスを取ってあげないといけません。だんだんと実際の姿勢の話に近づいてきました。

 

ご存知の通り、人間の体はたくさんの骨が連なって骨格を形作り、その骨組みに内臓や筋肉、神経や皮膚がついています。骨と骨は関節という「繋ぎ目」を形成し、ある程度の可動性を獲得すると同時に、靭帯という拘束バンドで安定性も確保します。必要なだけ動き、壊れない程度に制限しているわけですね。

さらに、先程説明した骨格アライメントにより全体のバランス安定性も高めています。できる限り少ない力で自立しやすい並び(しかも二足歩行で!)に進化してきたのでしょう。

 

このようにとても合理的にできている人間の身体ですが、よくできているが故に雑に扱ってもなんとかなってしまいます。猫背になろうが左右に歪もうが、その程度では靭帯は切れません。最低限のアライメントは保たれます。ですが、バランスは崩れて筋肉が悲鳴をあげ、痛みになります。これが「悪い姿勢」です。

 

骨には筋肉がつき、収縮するエネルギーで引っ張りあげることができます。可動域の許す範囲で自由に動かしたり、固定したりできるのです。この力のおかげで、高いところに手を伸ばしたり立ち上がったりするだけでなく、倒れそうな身体を支えることもできるわけですね。

この筋肉をいかに使うかが、姿勢が良いか悪いかを決めることになります。つまり、「最小限の筋肉で身体バランスを安定させている」状態が「良い姿勢」ということになります。

 

猫背などのいわゆる「悪い姿勢」は筋肉にかける負担が大きく、「良い姿勢」は少ない…ですが、「良い姿勢」になるために必要なことは「筋トレ」です。少ない筋力でいいんじゃないの?と矛盾のようですが、筋力アップが不可欠であることが多い。これはなぜか、「アライメント」を考えると見えてきます。

 

人間が立位である時、バランスの中心である「重心」はだいたいヘソの少し下…丹田と呼ばれる位置にあると言われています。ここをいかに支えるかで全体のバランスが左右されるわけです。イメージとしては、ぬいぐるみを支えて立たせようした時、お腹のあたりを持ってやれば一点の支点で事足りる感じです。

勘のいい方はお気付きかもしれませんが、要するに腹筋、背筋で体幹を支えてあげることが「良い姿勢」を作るうえでの最大の課題となります。そのための筋トレ。

 

ここから先もまだまだ語りたいことが続くのですが、先に「筋肉」の分類の話もしなくてはならないので、いちど区切りたいと思います。

 

ここまでをまとめます。

・「姿勢」とは「全身の骨格アライメントのバランス」のことである。

・「良い姿勢」とは「最低限の筋力で安定したアライメントを保てている状態」のことである。

・最低限の筋力でアライメントを保つには「重心」を安定させる必要がある。

 

次回は筋肉のお話から姿勢についてさらに掘り下げてみます。

それでは、また。

自律神経のお話

ブログを書く時間とネタがなくて2週間ぶりになってしまいました。まぁのんびり楽しく書くのが目的なのでよしとしましょう。

 

今回のテーマは身体のことを語る上で非常に大切なので、早めに書いておこうと思っていたことです。今まで「聞いたことはあるけどなんかよくわかんない」という人も多いのではないでしょうか。ストレスで体調を崩し、病院で検査しても大した異常はなく「自立神経失調症」と診断された方もいるかもしれませんね。

今回はそんな知ってるような知らないような「自律神経」について、私なりの解釈も交えつつ説明していきたいと思います。

 

自律神経について説明する前に、そもそもの「神経」についてざっと説明します。

 

まず、人間の神経は3種に大別されます。

ひとつめは「運動神経」。脳から身体の末端まで命令が行き渡り、意図した行動を起こす時に使われるものです。手を挙げるとか、目を右に動かすとか。これはわかりやすいですね。

ふたつめが「感覚神経」。今度は逆に身体の末端まで行き渡ったセンサーで捉えた情報を脳へ伝えていく経路になります。指で触れたカップの硬さを感じたり、コーヒーの黒さを目で感じたりといった具合です。これもよくわかるかと思います。

そして、最後のみっつめがいよいよ「自律神経」です。自律神経の「自律」とは、自ら律する…つまりオートで勝手に働くということです。これはちょっとわかりづらいかもしれません。

 

例えば、心臓。

我々が生きていくために、一生休みなく鼓動を打ち続けてくれる働き者ですが、そのテンポは一定ではありません。走れば早く血液を全身に行き渡らせるために元気よくドクドクと動きますし、好きな人に見つめられると早鐘を打つように忙しなくやかましくなります。また、睡眠中や休憩中など、ゆっくりと休んでいるときは止まってしまったのかと錯覚するぐらい静かになったりもします。

例えば、涙。

普段は目を潤す程度に少しずつ出続けていますが、悲しい時や嬉しい時に目から溢れ出す涙を止めることはできませんし、夜更かしをしたり本を読んでいるとドライアイになったりします。

この心臓の鼓動や涙を、自分の意思だけで自在に操れる人はそういないと思います。なかにはできる人もいるかもしれませんが、それは恐らく天才的な役者や人一倍自己コントロールに長けた人かな、と予測します。

 

話が逸れました。つまり自律神経の「自律」というのは、「身体の状態を自動的にモニターし、かつ調整すること」と言えます。お風呂の温度や水位を一定に保ってくれるシステムみたいなものですね。

 

身体には「ホメオスタシス」と言われる、体内環境を一定に保とうとする性質があります。英語で書くとhomeostasis…「同じ」という意味のhomeoと「静止」という意味のstasisを合わせた言葉です。

自律神経の仕事は、この体内環境を保つための監視役兼調整役というわけです。

 

さて、自律神経についてだいたいわかったところで、自律神経をさらに細分化してみようと思います。

例え話の心臓や涙でも出しましたが、自律神経は「調整」が仕事なので、右へ行き過ぎれば左に、上へ行き過ぎれば下に、と生存するために過不足ない、安定した状態を目指します。この時のアクセルがいわゆる「交感神経」、ブレーキが「副交感神経」です。この名前は聞いたことがある人も多いかもしれませんね。

 

交感神経はよく「闘争と逃走の神経」と言われ、能力を引き出す方向に身体を調整します。

目は血走り、息を荒げて、力一杯走り回る…そんな「狩り」を連想するようなイメージでしょうか。

言い変えれば、血圧や血糖値を上げ、酸素濃度を高く保ち、筋肉を緊張させてエネルギーを出し惜しみなく解放する…といった感じ。

 

一方の副交感神経のイメージは、ズバリ「睡眠中」です。深く緩やかな呼吸で、安らかに休息をとっているときは、最も副交感神経優位…つまりブレーキが効いている瞬間と言えるでしょう。

コーヒーの香りを楽しみながらのマッタリブレイクタイムも、目まぐるしい日常から抜け出して心も体もゆったりと落ち着いています。(そう、これを書いている時の私のように。)

そんな時はエネルギーを無駄に放出するのではなく、イザという時のために溜め込んだり、身体を癒すために使っています。

 

このように一見パーフェクトに感じる自律神経の調整能力ですが、当然ながら限界があります。その限界を超えて調整が上手くいかなくなった状態が、「自律神経失調症」というわけです。

過度のストレスで心は一刻も早く逃げ出したい、でも仕事を放り出して帰るわけにはいかない…

眠くて眠くて仕方がない、でもゲームが楽しすぎて寝たくない…

こんな経験は誰にでもあるかと思います。こうした「身体が欲していること」を理性で押さえつけすぎると、身体はアクセルをふかしすぎたり全力でブレーキを踏みまくるわけです。そうして無理を続ければ最後は…もちろんぶっ壊れますよね。

 

というわけで、治療家としての私が患者さんに大切にしてほしいことは、「自分の身体と心が何を欲しているか」に耳を傾けて、「無理」をしていないか気を配ることです。

「理が無い」ことが続くわけないです。早く無理をしている自分に気づき、出来る限り無理をしないことが大切です。

薬やマッサージで一時的に楽になることもあるかもしれません。しかし、それは気休めだと、私は言い切りましょう。無理をやめずに治すことは、それこそ「無理」です。

 

まとめてみます。

・神経を大別すると3種類。運動神経、感覚神経、そして自律神経。

・自律神経とは自ら律する神経、つまりオートで身体のバランスを調整している。

・自律神経をさらに細分化すると、交感神経と副交感神経に分かれる。

・交感神経は「闘争と逃走」の神経。テンションが上がってエネルギーを運動能力に使用するアクセル。

・副交感神経は休息の神経。心を落ち着けてエネルギーを回復に使うブレーキ。

・身体の調整能力には限界がある。無理を続ければ、いずれ壊れる。

 

今回はこんなところかなー。とても大切なことなので、みなさん気をつけてくださいね。

質問や書いてほしいお題の提供もお待ちしております。

 

それでは、また。

お題初挑戦

今週のお題「体調管理」

 

お題というものに気づいたうえに、ちょうど私の書きたいことに被っていたので書いてみます。

 

ひとつ前の内容で私の考える「治療」というものについて書いてみましたが、体調管理はいうなればその究極です。なにしろ体調不良を未然に防ぐために管理するわけですからね。こんなに素晴らしいことはありません。

借金で苦しまないためにお金を管理する。時間に追われないためにスケジュールを管理する。管理するとはなんと素晴らしいことか。

 

しかしまぁ、言うは易し行うは難しと申しますか、それが出来れば苦労はしねえョと申しますか。よほど自らを律することが得意か、もしくはものすごいしっかり者とか頑張り屋さんの人でないとなかなか実行できないのが実情だと思います。

かく言う私もめんどくさがりで、なんでも後回しにしてしまいがちです。そして後から苦しむのです。「なぜもっと早くから頑張らなかったんだ」と。

 

そこで登場するのが脳科学や心理学です。人間の思考を科学的論理的に解き明かす学問ですね。

道理を通せば無理が引っ込むと言うことで、システムを理解して利用すれば無理なく効率よく目的を達成できるものです。理系的な考え方でそういうのキライ!という方もいるかもしれませんが。

でも、メチャクチャめんどくさくて頑張ろうとしてもできなかったことが、アッサリできるようになったら素敵ですよね。そうなるためのヒントになってくれるものとご理解いただければいいのかなと思います。

 

偉そうに脳科学やら心理学やら難しそうな言葉を出しましたが、私の専門ではないので残念ながら深く語ることはできません。

ですが、自分にとって必要なトピックを拾ってくるだけでも非常にタメになるので、何かうまくいかないときや「どうして自分はこんなにダメなんだろう…」と悩んでいるときにうまく活用するとストンと腑に落ちて一気に解決できることも多いかと思います。

 

例えば体調管理の基本中の基本、うがい手洗い。幼稚園の頃から「外から帰ってきたらうがい手洗いをしなさい!」と口煩く言われているであろう習慣ですが、できている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。

やってしまえば数秒の、なんてことはない作業ですが、これができない。なぜか。ほとんどの場合、めんどくさい、煩わしいからでしょう。

 

この「めんどくさい」という感情は非常に厄介ですが、実はコレ、我々が「めんどくさい」と感じるより早い段階で、脳が「行動するかどうか」を判断し、それを後から認識しているのだそうです。

つまり、「うがいをしない」と脳が判断した後に「でもうがいしなきゃなぁ」と思うから、めんどくさいと感じるのです。ややこしいですね。

同じ理屈で「絶対しない!」と思っていても、してしまうことってありますよね。ダイエット中の間食とか、勉強中のゲームとか。誘惑に勝てないというヤツです。

 

つまり何が言いたいかというと、行動を起こせない、もしくは起こしてしまうのは「意志が弱い」とか「サボりグセがある」ということではなく、「すでに脳内で決定済みだから」ということです。どれだけ取り繕っても時すでに…なんですね。

 

ではどうすればいいのか。脳の習性を知り、脳の判断基準を自分の意思でコントロールすればいいのです。具体的には「まずはとにかくやる」ことです。全然論理的じゃないですね。

でも慌てないで最後まで聞いて欲しい。大切なのはここからです。

 

イヤでもとにかくやってみることで、あなたはおそらく何らかの感想を持つハズです。「あーめんどくせ、やってらんねー」かもしれませんし、「意外とやればなんてことないな、これならできそう」かもしれません。が、どう思うかはこの際重要ではなく、行動したことによって「自分はこういう風に感じるんだな」と客観的に自分を観察することが重要なわけです。

専門的には「メタ認知」と呼ばれるらしいですが、つまり「自分を観察する自分」という、第三者の視点になることで、冷静に判断できるようになるということですね。他人のことなら「もっとこうした方がいいのに」と他人事として処理できるわけです。

 

こうして「自分」を知ることで、次に取るべき行動が決まってくる。「めんどくせー」と感じる自分は、何に対してそう思っているのか。なぜそう感じるのか。どうすればめんどくさくなくなるのか。脳内自分会議を開催するわけです。(キャンディーのつかみ取り大会にオンディーが入っているかもしれませんが、頑張ってください。)

こうして「めんどくせー」の原因を知り、対策をし、解決していきます。自分の脳はこういう風に感じるんだなーと、他人事にしてしまうコツを掴むとかなり楽になると思います。

というか、問題の原因を知ってしまえばそれだけで解決に繋がることも多いように思います。自分が苦しんでいたことの正体がわかれば「なーんだそんなことか」と自然に解決してしまうというか。

 

それこそめんどくさい、地道な努力ですが、手が打てるということは幸福なことだと思います。「なんとかしたいのに、どうしたらいいかわからない」ことの辛さは、みなさん感じたことがあると思うから。

 

まとめます。

体調管理とは、己を律すること。

己を律するには、まず己を知ること。

敵(病気)を知り、己を知れば、百戦危うからず。

 

おあとがよろしいようで。

身体のこと

モチベと時間があるうちにどんどんいきましょうねー。週末ぐらいしかゆっくり書けないしね。

 

私の仕事を簡単に説明すると、整体師とかリハビリのおじさんというのがわかりやすいでしょうか。詳しくは柔道整復師という国家資格持ちになるのですが、同業者以外にはどうでもいい(あと不正する人が目立ってあまりいいイメージがない)ので置いておくとしましょう。

要するに身体の不調がある人に対し、身体を触って手技を施したり、運動指導をする事で改善を促す仕事という感じです。

 

こう書くと「ああマッサージしてくれるのね、とにかく長く、強く頼むよー」とか「まーた運動しろ運動しろってうるさく言われるのかめんどくせぇ…こっちは治せって言ってるんだよなぁ」と思われるかと思います。

 

敢えて言いたい。

「努力なくして健康なし!!」

と!

 

私もこの道を志した時は「マッサージ上手くなって気持ちよくなってもらいたいなぁ」などどヌルい事を考えておりましたが、10年近く勉強していると段々人体の奥深さに触れる機会も増え、目指すところも変化していきました。

いえいえ、気持ちのいいマッサージを否定するわけではありません。私も気持ちいいマッサージはするのもされるのも大好きですし、必要な事だと思います。

 

しかし、しかしだ!身体の不調を訴え、それを改善したいと本当に願うのなら!多少の努力は不可欠だと私は声を大にして言いたい!

生まれたての雛のように口を開けているだけで全てを解決できると思っているのなら、それは間違っていると!

痩せたいと言いながらスイーツを貪るのと同レベルに甘い考えだと断じよう!

 

すみません、つい熱くなってしまいました。でも、これが本当のことです。

よく「医療は患者サイドと医療者サイドの二人三脚」と言われます。お互いに話し合い、理解し合い、「治癒」という目標に向かって協力しながら進んでいく仲間であるべきだと思っています。

しかし、これが一方的にサービスを受けているつもりの「お客様」となると、一気にややこしくなります。もちろんどんな方でもできる限り丁寧で暖かい対応はしていきます。しかし、最大の目標・目的である「治癒」は得られない可能性が高い。

なぜなら、私たちが受け持つほとんどの身体的問題は生活習慣が地盤になっているからです。

 

身体の不調には様々な分類がありますが、大きな分類のひとつとして「急性」と「慢性」があります。

急性は例えばタンスの角に小趾をぶつけたとか、重いものを持ち上げようとして腰がイッたとか、「明らかな受傷機転があるもの」を言います。

対して慢性は肩凝りや腰痛など、なんだかわからないけどしんどい…という「明確な理由はないが症状はあるもの」ものを想像していただければわかりやすいと思います。

急性のものは程度にもよりますが安静が第一選択になることが多いです。ほっとけば治るってことですね。人間の自己治癒力に感謝です。

一方慢性のものはほっておくと悪化することも少なくありません。最初は気のせいかもと思っていたのに、気がつけばすげーつらい…ということが年を取ると共に増えることでしょう。

 

そして、程度の重い軽いは別にしてそのどちらで悩むことが多いかといえば、後者になるかと思います。なにせ勝手に治ってくれないからね。むしろ悪くなるからね。

私たちが受け持つのは主にその後者ですので、しっかりと治すためには「明確な理由がない症状」の正体を突き止め、改善する必要があるということです。探偵みたいですね。犯人はお前だ!みたいな。

 

例えば姿勢。スマホやPCの普及、事務作業や勉強で座りっぱなしの生活習慣、家にこもりきりの運動不足…加えて誤った知識やそもそも知らない、考えていないことで生まれる誤認、症状の悪化。これらを誤魔化しでなく本当の意味で「解決」するには「知ること」と「改めること」が絶対に不可欠です。

どんなに奇跡的な効果の治療法があったとしても、原因が存在し続ける限りは症状は繰り返す。まさに「焼け石に水」なわけです。

 

私たちの仕事はその「原因」を突き止め、「結果」としての症状を無くすこと。生活の中に隠された悪しき「傾向」に対する「対策」を模索することだと考えます。

原因と結果、傾向と対策。私の思考の基本にしている、好きな言葉です。実はとあるアニメのサブタイトルですけど。黒くて大きくて硬くて光ってて臭くて奇妙な声をあげるせーぶつ。

 

長くなりましたが、これが私の考える「治療」です。原因を解決しなければ問題はなくならないということですね。

もちろん手技技術の向上も大切だし、新しい技の練習や知識の勉強も大好きです。勉強大好きとか言えるようになるとは思わなかったけど、本当に楽しいから仕方ない。例えるなら格闘ゲームで新しいコンボパーツを見つけた時のようなワクワク感があります。こいつは使えるぜぇ!とたまらない気持ちになりますよ。

 

こんな感じで、身体に関するアレコレも思いついたら書いていこうと思います。悩み事の相談や質問などもコメントで受け付けますので、できる限り答えていきますね。

 

それでは、また。